品川区の清岸寺様にて、崩れかけた江持石の棹石の交換工事

ご覧いただきありがとうございます。東京都内のお墓専門店、協和石材工業所の笹本です。品川区の清岸寺様にて、崩れかけた江持石の棹石を交換する工事をお任せいただきました。工事場所の詳細はこちらです。

品川区上大崎 法性山 清岸寺 竿石交換

お客様から、「お墓の石が崩れそうなので見てほしいのですが」とご連絡をいただきました。お客様から現地のお写真をいただいて、まずは状態を確認させていただきました。

現地の様子です。品川区上大崎の清岸寺様という初めて伺うお寺様の墓地にあり、まずはご挨拶をして確認をさせていただきました。お客様がおっしゃるように、棹石の一部が崩れてしまっています。

 

正面の文字も読み取れない状態になっています。福島県産の江持石という石で作られており、長い間に石そのものが風化してしまったことが原因と考えられました。お客様からはまず、「この石を修理することはできるんでしょうか?」とご質問いただきましたが、ここまで風化してしまうと、修理は難しいことをご説明差し上げました。

そこで、お客様のご希望でもあった棹石の交換で対応することになりました。ただ、御影石など全く違う種類の石に交換すると、台座など他の部分との違和感が出てしまいますので、同じ江持石で新しく棹石のみを作成して交換することをご提案しました。新しいので当初こそ他の部分と色合いは違いますが、年月が経つと同じような風合いに変化してなじむので、違和感のないお墓になります。言葉だけではイメージがつかみにくいと思いましたので、建立から10年が経ったほかのお墓のお写真を見ていただいて、「10年後はこういった感じになりますよ」とご説明差し上げると、ご納得のうえで江持石の棹石の交換工事をお任せいただけることになりました。

 

工事開始です。まずは古い棹石を取り外し、設置面などのお掃除を行いました。

 

新しく作成した江持石の棹石を据え付けています。水平を見て慎重に据えます。

 

据え終わったらセメント目地を打ち、お掃除をします。

 

据え付け完了です!

今回の棹石は、福島県の採掘場所まで私が原石を探しに行って、加工は専門の方にお願いしました。福島で江持石や白河石などを専門に加工されている鈴木さんという方で、技能五輪で金賞を受賞された有名な方です。とても素晴らしい仕上がりです。

 

正面はご家名を彫刻しました。石の色味はまだ新しい状態なので台座などと違いがありますが、年月が経つとなじんでくることを、事前のご説明と同じように再度丁寧にご説明差し上げました。

 

右側面です。もともと彫刻されていたご先祖様のお名前を彫刻しています。

 

頭の部分は、以前の棹石と同様のトキン加工をしています。寸法を測って同じ仕様で仕上げています。江持石は安山岩系の石で、御影石等に比べると加工しやすいのが特徴です。しっとりとした手触りで、私も手加工の際に使うことがありますが、とてもいい石だと感じます。

 

棹石交換のほか、ご遺骨の整理などもご依頼いただき、現地でお引き渡しをさせていただきました。仕上がりには大変ご満足いただけたご様子で、「きれいになってるね!」と少しびっくりされたようでした^^ 事前にお写真もお送りしてご覧いただいていましたが、実際にご覧になって、江持石の質の良さも感じて感じていただけたのではないかと思います。このたびは、数ある石材店の中から当社にお声かけいただきましてありがとうございました。年月を重ねて少しずつ変化するお墓のようすを楽しみにしていただければ嬉しいです。お墓のことで何かご不明なことなどございましたら、またいつでもご連絡ください!

今回は、古くからの江持石のお墓の棹石交換の工事の様子をご紹介いたしました。江持石や白河石は古くからお墓に使われてきた馴染みのある石材で、都内のお寺様の墓地などではまだまだたくさん見かけます。長い年月で風化が進んでしまい、崩れたり欠けたりしてしまうこともありますが、今回のように一部を修理したり交換したりすることもできます。ご予算やご希望に応じてご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。