上台の家名を2家名へ変更。文字部分を削って彫刻し直す例をご紹介

ご覧いただきありがとうございます。東京都内のお墓専門店、協和石材工業所の笹本です。今回は、お墓のご家名を2つのご家名に彫刻し直した施工例をご紹介します。

 

世田谷区 上台家名を2家名へ変更

 

「今後お墓を継ぐ家族がいないので、親類に継いでもらう」「継ぐ人がいなくなった妻の実家のお墓を継ぐ」というケースは、最近多いのではないでしょうか?お墓を建て替えることも選択肢ではありますが、今回はそうした場合の方法のひとつとして、ご家名を2つの家名に彫刻し直すという例をご紹介します。

 

施工例①

世田谷区のお寺様の墓地にあるお墓です。こちらは施工前の状態です。印のように、棹石のすぐ下の上台の前面に、ご依頼をいただいたお施主様のご家名が、横書きで彫られています。今後このご名字を継ぐ方がいなくなるとのことで、姓の違うご親類様が継がれることになり、お寺様へ相談をされたそうです。ご納骨もあるため、それまでに間に合うよう、姓の違う方がお墓を継がれても支障のないように工事をします。

 

工事が完了したお墓です。このお写真ではすぐには分かりにくいと思いますが・・・

 

縦書きで、二つのご家名が彫刻されています。右側がお施主様のご家名、左が今後継いでいかれる方のご家名です。縦書きで二つ並べて彫刻しました。

彫刻されている文字を彫り直す際は、文字のある上台前面を全体的に削って文字をなくして磨き直し、そこへ改めて彫刻をします。そのため、もともとの文字の深さの分、数ミリ石を削ることになります。

 

今回はこの彫刻のほか、側面には仏様のお名前を追加で彫刻、ご納骨のお手伝いもさせていただきました。ご希望の日までに間に合わせることができ、喜んでいただきました。

 

施工例②

こちらも同じ世田谷区のお寺様です。先ほどと同じように、横書きでご家名がひとつ彫られています。こちらもご納骨があり、これから後を継ぐ方がいないので、二つの家名を彫刻してお墓を残したいとご希望でした。

 

棹石を取り外してから、その下の上台を搬出しようとしています。手前にある四輪車を使用して、安全に取り外し、運搬を行います。お墓の石はひとつひとつがとても重いので、そのまま人の手で持ち上げることはできません。この四輪車は高さを調節できるので、お墓の高さに合わせて台を固定、このように板を渡して、その上を滑らせて重い石を移動させます。板の下は、お墓の石を傷つけないように養生のために布を敷いています。台の上に石を移動させたら、台の高さを下げて安全に運搬します。クレーンなどの機械が入れない狭い場所でも、こうして石を傷つけることなく安全に工事ができます。

 

二つのご家名を、こちらも縦書きで彫刻しました。こちらのお客様もまずはお寺様に相談されて、お寺様からご両家のお名前にされることをご提案いただいたそうです。お寺様の墓地の場合は、継がれることが決まったらまずは早めにお寺様へご相談をされるとよいと思います。

今回はご家名を二つに変更する例でしたが、お墓の棹石のご家名を変更することももちろん可能です。近年は、同様のご相談をいただくことも増えています。せっかくご家族で大切にされてきたお墓ですから、残せるのなら残したいと思われる方も多いのではないでしょうか。将来継いでいく方が困ることがないように、今回のようなご納骨の折など、何かの機会に早めにご準備をされておくのもよいタイミングかもしれません。また、お墓の形状や石の状態によっては難しいケースもありますので、まずはご相談をいただければと思います。