目黒区のお寺様にて、壊れてしまったお地蔵様の修復と、手加工での台座製作

ご覧いただきありがとうございます。東京都内のお墓専門店、協和石材工業所の笹本です。目黒区の大教寺様にて、壊れてしまったお地蔵様の修復と、台座の手加工仕上げをお任せいただきました。

目黒区 大教寺　お地蔵様修復　土台手加工仕上げ

ホームページを通じてお墓のご相談をいただきました。「お地蔵様が壊れてしまっていて・・・」とお困りの様子で、お話だけでは状況が詳しく分からないので、まずは現地を確認させていただくことになりました。

 

現地確認時のようすです。お墓は目黒区の大教寺様というお寺様の墓地にありましたので、まずはお寺様にご挨拶をしてお墓を確認させていただきました。とても歴史のある立派なお墓です。昔ながらの造りで、職人さんが手加工で作ったと思われる味わいが細部に感じられるお墓でした。

 

お墓の左側、奥まったところにお地蔵様がいらっしゃいました。

 

確認してみると、真ん中から上下に半分に割れてしまっていました。かなり以前に割れてしまっていたようで、ボンドでくっつけようとされていた形跡もありましたが、それではやはりしっかり接着できなかったようです。状況を確認して、お客様に割れてしまった箇所の修理が可能なことをお伝えすると、「お墓の雰囲気に合うような台座も追加で作ってほしい」とご依頼をいただきました。そこで、福島県産の白河石を使って、手加工で台座を製作させていただくことになりました。

 

工房で、ご希望いただいたお地蔵様の台座を加工しているところです。昔ながらの手加工で作られた素晴らしいお墓でしたので、その趣のある雰囲気に調和したものになるよう、丁寧に作業を進めます。

 

差し刃という道具を使って、最後に石を平らに削る作業をしています。石の加工は今は機械で行うことがほとんどで、こうした手加工の技術を持った職人は、都内でもかなり少なくなってきています。私は数年前から師匠について手加工の技術を学んでおり、最近は手加工品のご依頼もいただけるようになりました。今回のお墓のような古いお墓の趣ある雰囲気を守りつつ、新しいものを加えていくには必要な技術ですし、「手加工の技術を残したい」という思いもあり、取り組んでいます。

 

台座が完成し、いよいよお地蔵様の修復と設置に入ります。お地蔵様の継ぎ目に穴をあけてステンレスのボルトを取り付けます。

 

割れてしまったお地蔵様の接着面両側にボルトを入れて準備します。接着剤だけではどうしても経年で取れてしまいますので、今回はより強度が高くなるようにしました。

 

台座を据えて、お地蔵様を据え直しました。割れてしまっているので完全に元に戻すのは難しいですが、ボルトを使用して以前よりも強固に接着し、目地セメントで仕上げました。手前にお線香立もご用意しています。

 

今回手加工で製作した台座はまだ新しいのでお墓本体とは色合いも違っていますが、数年経つと風合いが出てきてなじんできます。それもまた手加工の素晴らしいところです。

完成後、お写真をメールでお送りしてご報告しました。手加工については図面のやり取りを通じてお客様がイメージされていた通りの仕上がりになり、お地蔵様も修復できたことで、ほっとされたご様子でした。このたびは当社にご相談いただきまして、ありがとうございました。

今回はお墓のお地蔵様の修復と、手加工での台座の製作をご紹介いたしました。お墓にお地蔵様を安置されているお墓はよく見かけますが、破損してしまった場合、修理をどこに依頼したらいいのか迷われる方もいらっしゃるようです。当社は、お墓のことでしたらどんなことでも可能な限りご希望を叶えたいと考えています。まずは状況を確認して、今後も安心してお参りいただけるようお手伝いいたしますので、お気軽にお問い合わせください。